9月の本:ジワジワくるホラー小説「残穢」小野不由美
一応今年の目標として、「月に1冊は本を読む」を掲げていたものの、なかなか読めていないここ最近…。
ブログとしては、なんと「3月の本」までしか感想を書いていない!
4月以降も読んでるものもあったんだけど、感想など全然残せておりませんでした…。
そんな中ですが、久々に本の感想です。
今回は小野不由美の「残穢」。
映画化もされた、ホラーです!
いつも通り、ネタバレはないのでご安心ください。
小野不由美「残穢」
まずは公式のあらすじをご紹介。
―この物音は、何か可怪(おか)しい。 何かが畳を擦る音、いるはずのない赤ん坊の泣き声。転居先で起きる怪異に潜む因縁とは―
―山本周五郎賞受賞、戦慄のドキュメンタリー・ホラー。 この家は、どこか可怪(おか)しい。転居したばかりの部屋で、何かが畳を擦る音が聞こえ、背後には気配が……。だから、人が居着かないのか。何の変哲もないマンションで起きる怪異現象を調べるうち、ある因縁が浮かび上がる。かつて、ここでむかえた最期とは。怨みを伴う死は「穢(けが)れ」となり、感染は拡大するというのだが…
山本周五郎賞受賞、戦慄の傑作ドキュメンタリー・ホラー長編!
サスペンスのような冷静さを併せ持つホラー
あらすじにもあるように、「なにかが可解(おか)しい」、人の居つかないマンションを皮切りに、その謎を解き明かしていくストーリーです。
おかしな出来事が起こる、という話を聞いてまず思うのは、いわゆる事故物件などですよね。
でも、「前にこのマンションで事件がありました!その怨念が…」というシンプルなホラーでは断じてありません!
ではなにが原因で人が居つかないのか?
という謎を紐解いていく、サスペンスの要素が強いホラーです。
謎解き要素が強い分、比較的冷静で分析的な表現が多いので、おどろおどろしさよりもなんだかジワジワとした恐怖が常に足元にいるような感覚です。
歴史好きの方にはめちゃくちゃおすすめ
そもそもわたしがこの本を読もうと思ったのは、別にホラーが好きだからではなく、友人のおすすめだったから。
もともと、わたしは街の歴史や成り立ちを読んだり(よく道にある「ここは昔〜」みたいな立て看板とか読むの大好き!)、昔からの言い伝えの伝承話や民俗学の話が好きなんですが、そんな話をしていたときに、友達から「だったらぜひこの本を!」とすすめられたもの。
先に書いたように、「おかしな出来事」がなぜ発生するのか、そのいわれはなんなのか、いつからなのか、というそのマンション(土地)に根付いたいわれを調べて分析していく話なので、わたしにはぴったりでした!
自分にも起こりえる怖さ
この本のこわいところは、自分の身にも起こり得るから。
最初に書いたように、おかしな出来事の原因は「事故物件でしたー!」というシンプルな話ではありません。
もっと深い部分での強い原因があり、そこまでたどり着くまでもかなりの調査期間が要され、またそんなに調査してようやく原因がわかるという謎です。
「なんでか人居つかないのよね」とか「なんか変な音がする気がする~」とかわざわざ退去時に言うほどじゃない小さな怪異や、必ずしもその部屋に住んだ人全員が怪に出会うわけではないので、なおさら読後には必ず(読後じゃなくてもかも)「もしかして我が家も…?」「将来引っ越すとき大丈夫か?」と思ってしまうはず。
ホラー苦手でも読める!
あくまでわたしの基準ですが、ホラー苦手な方でも読みやすいんじゃないかと思います。
かくいうわたしも、ホラーを読んだのは「学校の怪談」以来初めて。
(とはいえ夜読むのは怖かったので、朝の電車なんかで読んでました!)
小さい頃「学校の怪談」を読んでたり、「人と一緒ならホラー映画も観れる」という程度であれば大丈夫かと思います。
映画も観たいけど…
もちろん、この恐怖がどう映像化されてるのかめちゃくちゃ気になるので映画も観たいんですが、これこそ「怖くて一人では観れない」ので、まだ観ておりません…。
小説の文字からイメージする自分の中の「怪奇現象」も怖いけど、映像化されちゃったらより脳に刷り込まれて怖くなる気がします。
せっかくPrimeにもあるので、だれか友達と一緒の時に、いつか観たいと思います。
▶︎ わたしの過去の読書履歴
こちらもぜひ